taspo(タスポ)について

たばこを買う時に必要になったtaspoについてのコラム

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タスポとは?

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taspo(タスポ)について

喫煙者に不評で世間を騒がせている「taspo(タスポ)」制度が2008年7月1日にスタートしました。
普通の電子マネーとは違って、身分証明の意味合いが強いちょっと異色のカードなので、 ここでは、タスポとはどんなものなのかなど、基礎知識などを紹介します。

概要

目的・由来など

『taspo(タスポ)』は、タバコ自販機用成人識別ICカードとも言い、成人のみに発行されるICカードです。
カード発行の目的が未成年者の喫煙防止対策であり、自動販売機でタバコを買う際に、カードを触れさせないと購入できない仕組みになっています。
未成年喫煙者のたばこ購入経路の多くが自動販売機(※1)であることから、それを阻止すべく、この制度がスタートしています(※2)。

以上のような制度趣旨から考えると、そのうちお酒にもこういったものが登場するかも知れません。名称はサケポ?オサポ?シュッポ?(笑)
なお、タスポの名称の由来としては、「たばこのパスポート」から来ています。

機能

基本的には身分証明の意味合いが強く、成人証明機能がメインといえます。
ただ、プリペイド型電子マネーとしての機能もあり、支払い・チャージもできます。

この点、タスポに搭載されている電子マネーは、「ピデル(Pidel)」という名称がついています。プリペイド(前払い)式を採用しており、自動販売機でチャージが可能になっています(チャージは1,000円単位で、20,000円が上限)。
電子マネーの規格はSuicaなど他のとは違う規格を使っていますが(※3)、使い方に大きな違いはありません。
紛失などの場合は手数料1000円を払えば再発行できます。

※2015年2月25日(水)をもって電子マネーによるたばこ購入サービスは終了(残高の払い戻しは2016年4月28日まで)
⇒ピデル電子マネーサービス終了のお知らせ

なお、タスポにはまだモバイル型(おさいふケータイ)はありません。タスポの発行には写真が必要なので、今後もおさいふケータイ版の登場は難しいような気がします。

使い方・支払い方法

支払い方法は2つあり、現金か、チャージしてある電子マネーで支払うことができます。
実際の購入時の使い方は、現金を入れ、欲しいタバコのボタンを押してから、自動販売機の読み取り部分(画像参照)にカードをかざすだけです。電子マネーで買う場合も同じ手順で、現金を入れる手間が省けるだけです。

タスポ(taspo)搭載自販機
↑タスポ対応自動販売機

タスポの申し込み方法

申し込み方法としては、2パターンあります。
1つは、コンビニやたばこ店など各種店舗の店頭や自動販売機に据え付けられている申込み書、もしくはタスポ公式サイトから申込み書をダウンロードしてプリンタで印刷したもので申し込む方法。
申し込み書のダウンロードはこちらからできます(タスポ公式サイト)

申し込み書を手に入れたら、必要事項を記入して本人確認書類のコピー(運転免許証、保険証、住民基本台帳カード、年金手帳、住民票など)を同封して郵送後、写真などに問題がなければ約3週間程度でカードが送付されてきます(※4)。
写真が必要なのが特徴的ですが、この写真はルールに従っていればそれほど厳格なものでなくてよく、デジカメや写メールで撮影した写真をプリントしたものでも大丈夫なようです。

もうひとつは、Webから申し込む方法。これも所定の書類を用意して、申し込みます。手順としては郵送方法とさほど変わりません。
WEB申し込みは上記のタスポ公式サイトからできます。

なお、発行手数料、年会費は無料。郵送の切手代も不要です(料金受取人払い郵便のため)。
申し込み資格としては、日本国内に在住で、「申込みの時点で」満20歳以上の方になります。

タスポの普及率は?

さて、タスポの普及率が気になるところですが、たばこ3団体(日本たばこ協会・全国たばこ販売協同組合連合会・日本自動販売機工業会)の公式発表(PDF)によると、まず、スタート直前の6/24時点では、641万枚となっています。
枚数としては結構多いように思えますが、率で考えるとこれは全国の成人喫煙人口2600万人(推定)に対して25%弱になります。およそ4人に1人の割合です。

その後も伸び率は頭打ちのようで、およそ1年後の2009年4月時点でも、900万枚程度(普及率33%程度)と、依然伸び悩んでる様子です。
スタートして間もないとはいえ、過半数にも満たないのではあまり普及していないという印象が残ります。

この原因としては、申し込みが必要なことや、発行に際して写真や住所などの個人情報が必要なことが考えられます。やっぱり面倒なことはみんな避けたがるようです。
また、コンビニなどではタスポ不要で買えることも普及の障害になっていると考えられます。
このように、まだ抜け道だらけの制度であまり趣旨を達成できていないことが普及率を見るとわかってきます。

問題点

忘れたら不便

タスポ制度を裏から言うと、「明らかに成人でも、タスポがなければ自販機では買えない」ということになります。なので、たまたま忘れたりした場合に買えなくなってしまうという不便があります。
また、逆に言えばチャージで簡単に買えて便利なので、いつの間にかたくさん買ってしまう可能性があります。たばこ業界はその方が儲かっていいのでしょうが、消費者の見地から考えると、健康への悪影響や、つい買いすぎてしまうのはデメリットといえます。

なおこの点で最近は免許証でも成人判定ができる自動販売機も開発されてきています。
これではタスポの立場が…とも思われますが、喫煙者が必ずしも免許所持者とは限らないので、タスポにも存在意義はなお残ると思われます。

自販機限定で効果はあるのか?

タスポが必要になるのは自動販売機です。コンビニやたばこ店などでは、明らかな未成年者は別として、依然タスポ不要で買えます。
これでは制度目的達成に不十分なのは明らかで、このままでは自動販売機メーカーを儲けさせるだけの制度になってしまいます。また、コンビニでは「タスポ特需」のおかげでまとめ買いなどする人も多く、売り上げが上がっているようなので、結局購入場所が変わるだけに終わっているのが実情ではないでしょうか。

譲渡・貸与は禁止だが…

規約により譲渡・貸与は禁止されていますが、実際には守られていないのが実情です。
ニュースなどでも親が子に貸したり、ひどい場合は、売り上げ減を避けようとたばこ販売店がカードを客に貸し出していたり、自販機にタスポがぶら下げられているなどの報道がありました。

【参考記事】
子や孫にタスポ貸与 容疑の5人書類送検(MSN産経ニュース)
子供にタスポ 親ら検挙(読売新聞オンラインニュース)

また、貸与禁止の対策として、成年者による代理購入も問題になってきています。(⇒代理購入の疑いで逮捕(琉球新報)

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付加情報



【知識+α】

※1 これまでは、たばこ自販機の深夜稼動の自主規制によって未成年者のタバコ購入対策をしてきましたが、タスポがスタートしたことによって、2008年8月からこの規制が解除されました。これによって、自動販売機では再び24時間購入可能になりました。


※2 導入は以下のように段階的に行われ、2008年7月に全国導入が完了しました。
【2008年3月まで】
鹿児島県・宮崎県
【08年5月まで】
北海道・青森県・秋田県・岩手県・宮城県・山形県・福島県・福岡県・佐賀県・長崎県・大分県・熊本県・山口県・広島県・島根県・鳥取県・岡山県・香川県・徳島県・高知県・愛媛県
【08年6月まで】
新潟県・富山県・石川県・長野県・岐阜県・福井県・滋賀県・三重県・兵庫県・京都府・大阪府・奈良県・和歌山県・静岡県・愛知県
【08年7月まで】
東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・山梨県・茨城県・栃木県・群馬県・沖縄県


※3 タスポは、非接触技術の規格としてFelica(フェリカ)ではなく、欧米を中心に普及しているMIFARE(マイフェア)という規格を採用している点で、他の主要な電子マネーとは技術的な違いがあります。
両者には互換性がないので、将来的にピデルを支払い用としてコンビニその他の店舗で使えるようになるかは共通決済端末の登場がない限り難しいことになります。


※4 2009年4月1日、東京新宿に「taspoサービスセンター」がオープンしました。ここではタスポの即日発行サービスが提供されています。
詳細はこちら(PDF)

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