トップページへ >> コラムのページトップ >> 地域振興としての電子マネー
電車やコンビになど、メジャーな場所で使えるイメージがある電子マネーですが、最近、SuicaやPASMOが商店街でのポイントカードとして利用されるケースが増えてきています。
しかも、単に支払いに使えるだけでなく、その地域の商店街だけで使える独自の共通ポイントが貯まるようになっており、地域のユーザーにとっての「お得」も考慮されています。
ここでは、そんな地域振興として使われ出した電子マネーについて説明したいと思います。
商店街でのこうした動きの背景として、まず低コストかつ比較的容易に導入できることが一因として挙げられます。
従来のポイントカードでは、システム的に導入コストが店側にとって負担が大きいというデメリットがありました。しかし、フェリカ搭載の電子マネーの仕組みを応用して、比較的容易に導入することが技術的に可能なのが大きいです。
既存のシステムやカードを利用できるということは、地域独自のシステムや専用ICカードを新規に作る必要がなくなるということなので、コスト的に有利になるからです。
また、新たなカードを持つ必要がないということは、消費者側から見てもメリットがあります。
共通インフラとも言えるほどに普及してきている電子マネーをそのまま使えるので、これは利用者側にとってもメリットになります。
このように、さまざまな利点があるだけでなく、導入側と消費者側の利害が一致しているのが商店街で電子マネーが利用されだした背景になっています。
会員制度を取ることで、地域住民の商店街への囲い込みにつながる効果ももちろんありますが、電子マネーをある意味地域通貨として利用し、商店街を活性化させるのが狙いです。
これまで大型スーパーにやられっぱなしで廃れていく地域の商店街でしたが、これに対抗するための手段として期待されています。
カードはその地域だけでしか使えないわけではなく、そのまま他の店や鉄道決済などにも使えるので、ポイントカードの種類を今以上に増やしたくない人にとっても会員になることに抵抗がないという心理的効果も考えられます。
また、カードインフラを提供する鉄道会社にとっても、手数料収入以外にも、個々の地域が発展して人気がある街になれば、鉄道利用者が増えるだけでなく、沿線の地価・路線価などが上がることも考えられ、沿線に多数の土地(不動産)を持つ鉄道会社のメリットも大きいことが挙げられます。
すでに所有する「PASMO」や「Suica」を、そのままポイントカードとして流用し、簡単な会員登録だけで利用可能になります。
基本的な申込方法は、商店街の加盟店に行って申込書に記入してそのままお店に提出すればOKです。他にも郵送や、ホームページから申し込むことができるものもあります。
但し、登録したら即ポイントがたまるわけではなく、登録完了までに少し時間が掛かります(完了まで概ね2〜3週間程度の場合が多いです)。
□岩手県盛岡市
「MORIO-Jカード」
□目黒区商店街
「めぐもシステム」
□大森銀座商店街(大森銀座商店街振興組合)
「ミルパカード」
□青物横丁商店街(品川区)
「あおよこカード」
□渋谷区商店街連合会第六ブロック(笹塚・幡ヶ谷・西原地区)
「ささはたポイント」
□五反田商店街(五反田商店街振興組合)
「GOポイント」
□巣鴨3商店街(「巣鴨駅前商店街」「地蔵通り商店街」「巣一商店会」)
「すがもさくらポイント」
□立川市商店街連合会(立川南口いろは通り・すずらん通り商店街ほか)
「立川ISM(イズム)ポイント」
□町田市商店会連合会
「すき・まちポイント」(2013年8月31日に終了)
□調布市仙川商店街協同組合
「ハモカ(HAMOCA)ポイント」
□衣笠商店街振興組合・衣笠仲通り商店街協同組合(横須賀市)
「衣笠ポイント」
□亀有リリオ商店会
地域商店街で「nanaco(ナナコ)」を全国初導入
□久里浜商店組合(横須賀市)
全国で初めて「WAON(ワオン)」を導入した商店街
□高松兵庫町商店街
四国の商店街で初めて「WAON」を導入
□熊本地域振興ICカード(熊本県)
商店街だけではなく、熊本電気鉄道・熊本バスなど、交通ICカードとしても利用可能
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